「タイタニックのクルーたち(chie's Titanic Officers)」豪華客船タイタニック(Titanic)の歴史、史実、乗組員、クルー、航海士(特にマードック航海士)機関士・設計士・通信士を紹介。自殺の謎、映画の中の航海士、コレクションなど。by智恵-ちえ-
 タイタニックのクルーたち
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◆メイキング秘話;参考;生存者エピソード◆

 

番組キャメロンが語り尽くす『タイタニック』に登場した、3人の女性生存者たち。

 

(1)エヴァ・ハート(1905-1996;2等船客;当時7歳)



母エスター・ベンジャミンエヴァ・ハートと母親は、貧困の為にアメリカから追放となった。彼女と母親は事故で財産の全てを失ったのだ。イギリスへ帰国したが、母親は生涯再婚せず、1928年にガンで死亡した。
母の死後、オーストラリアで成長したエヴァはイギリスの治安判事となり、慈善的行為によりエリザベス女王から勲章を与えられた。彼女は父親の事を忘れず、事故当夜の思い出は記憶の底にしまい込み、長年語ろうとしなかった。後年、事故について口に出きるようになったが、遺品引上げ行為については、墓泥棒に他ならないと激しく批判しつづけた。1996年2月、イギリスのホスピスで亡くなった。





(2)ルース・ベッカー・ブランシェット(1899-1990;2等船客;当時12歳)


ネリー・ベッカーと3人の子供、次女マリオン(4才)、長男リチャード(2才)、長女ルース(10才)はミシガン州のベントン・ハーバーに落ち着き、翌年には夫と再会した。惨劇の夜、心に深い傷を負ったネリーは、神経質で引きこもりがちになり、生涯、タイタニックを口にするだけで涙にむせんだ。1961年死亡。
ルースは教師になり、結婚したが離婚した。子供が成人近くなるまで、決してタイタニックのことを口にしなかった。90歳を迎えた1990年3月、1912年の事故以来初めてメキシコまで船に乗った。同年、死亡。





(3)マージョリー・ロブ(1889-1992年;1等船客;旧姓ナウェル;当時23歳)



マージョリーとマデラインの姉妹は父アーサー・ナウェル(マサチューセッツの富豪・銀行家)とヨーロッパ旅行から帰国の途にあった。父親は死亡。アメリカに帰国後、1917年に結婚し、ニューヨークで音楽教師となる。1920年から1950年、ニュージャージーでバイオリンとピアノを教え、ついにはニュージャージー・シンフォニー・オーケストラの設立メンバーの一人となった。後年、マサチューセッツに戻った。97歳の時初めてタイタニック研究家たちの前で、タイタニックの最期について、勇敢だった父への忘れ得ぬ想いをこめて演説をした。息子1人と3人の娘、13人の孫を残して、1992年、死亡。享年103歳。














References
Don Lynch & Ken Marschall (1992); Titanic: An Illustrated History.
Encyclopedia Titanica: Passengers:
Daniel A Butler; Unsikkable (不沈)

 

 

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