「タイタニックのクルーたち(chie's Titanic Officers)」豪華客船タイタニック(Titanic)の歴史、史実、乗組員、クルー、航海士(特にマードック航海士)機関士・設計士・通信士を紹介。自殺の謎、映画の中の航海士、コレクションなど。by智恵-ちえ-
 タイタニックのクルーたち
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◆ユワン・スチュワート◆
(Cameron's"TITANIC" マードック一等航海士)

 


"....come on, come on, come on, turn... "(「頼む、間に合ってくれ・・・」)(*)

氷山追突の時、ブリッジの責任者であったマードック一等航海士を演じるのは、英国俳優ユワン・スチュワート。
このシーンは、本当のマードックがそうしたであろう行動と、機関部や、亀裂の生じた第6ボイラー室の様子を交えて、 実に見事に再現しているシーンです。彼の、氷山衝突までの興奮、祈るような気持ち、胸の高まりと、衝突直後の彼の潤んだ目、 茫然自失のショック状態・・・観ているこちらもドキドキしてしまいます。 音楽もまた素晴らしく、本当にその場に居合わせた気分になります。
ユワン・スチュワートって、ほんとに凄い!!!
「氷山が船にぶつかる場面を撮影していた夜など、私はセットから逃げ出したくなるほどリアルでしたよ」 (海洋歴史学者で、航海士の演技指導をした、キット・ボナー、「キャメロンのタイタニック」より)
[写真「CINEFEX(No.17)」より]




[出演シーン]

1.「航海へ、ミスター・マードック」シーン。
ジャックとファブリツィオが船首にでてくるシーンです。
船長がマードックに自信に満ち溢れた表情で、速度をあげる命令を出します。 マードックはおだやかな表情でうなずきます。
船長「いよいよ外洋だ。乗り出そう」 マードック「はい、船長。(ブリッジのムーディーに) 全速前進!」(船長に)「21ノットです。」
アップのシーンは実写ですが、ブリッジを出て船長のところに戻る時の、大手をふって歩くマードックはモーション・キャプチャー(CG;特撮)です。

2.午後10時、ライトラー二等航海士からブリッジの当直を引き継ぎます。 ライトラーとの会話。
マードック「双眼鏡はあったか?」 ライトラー「見つからない。 俺が見回りをしてくる」
コートの襟を立てます。肩の記章(きしょう)に注目!!ライトラーは一本、マードックは二本です。
(ちなみに、ワイルドは三本、船長は四本です。袖口も同じ。)

3.氷山衝突シーンの直前、船首楼甲板でジャックとローズが抱き合っているのを見て、 ニコニコしています。  

 


^^...smiling...^^(*)

 

4.氷山衝突シーン。

5.最初の救命ボート7号
を、船の右舷側から海へおろします。

6.キャルは、助かりたい一心で、マードックに話しかけます。
キャル「私はビジネスマンだ、ビジネスの話をしよう。」

7.キャルは、マードックのコートのポケットに、賄賂をねじ込みます。
キャル「ビジネス成立だな。」
(このシーンがいけなかった。明らかに、史実に反しています。)

8.救命ボートC。キャルの方を見ますが、キャルは結局これには乗りません。(ローズが心配だった?) でも、社長のイズメイは、こっそりボートに乗り込みます。あ然とするマードック、 でもそのままボートを送り出します。

8.マードックの最期。
右舷側最後の救命ボートAを、航海士用船室の屋根の上から降ろします。
沈みゆく船首、迫り来る海水、押し寄せる群集、パニックの極限状態、乗客への発砲・・・
ボートデッキに流れ出る血、我に帰るマードック・・・
同僚ワイルドに敬礼をして、銃口をこめかみに・・・
ワイルド「No,Will !!!」  銃声。
私が、このホームページをつくるきっかけとなった、心に残るシーンです。
(詳細は「謎」をご覧ください)


 


"Your money can't save you any more than it can save me. Get Back!! "
(「金なんか役にたたん、下がれ!」)(*)

9.ローズが夢の中でジャックと再会する、映画の最後のシーン。
扉を開けると、階段の向かって左下、設計士アンドリューの手前で、ニコニコ微笑んでいます。
人々が拍手を始めてジャックとローズが抱き合ってる時は、ローズの左ひじのあたり、アンドリュースの(向かって)右脇(**)に小さく映っています。(**:ワイドスクリーン版でのみ確認できる。)


(*:from Ewan Stewart The Multimedia Archive, Thank you very much Lauren!! :) )

 

[出演作品]
 ★ユワン・スチュワートの作品一覧はこちら。
  この中で現在、ビデオレンタルで見れる作品は・・・
  @ロブ・ロイ「Rob Roy」(MGM;1995):Rob Roy's trust frend, Coll
   →主人公の友人役。おひげ姿が優しいです。
  Aコックと泥棒、その妻と愛人「The Cook, The Thief, His Wife, & Her Lover」(1989):Harris
   →主人公の部下役。若くて、渋くて、激かっこいいです。

[履歴]
 ★本名:アンドリュー・スチュワート
  年齢:around 41歳
  スコットランド・出身:ロンドン在住
  結婚して、二児(一男一女)のパパ
  ユワンの「パパぶり」を想像してしまいました。
  あんな笑顔でにこにこされたら、ウーン、たまんないです。;^^
 

”父のようには活動しない”(新聞"Dialy Record" 1998年10月9日より)
タイタニック・スター、ユワン・スチュワートによれば、彼の父アンディー・スチュワート(スコットランド・シンガー)は 孤独で厳しい芸能活動(ステージ・ツアー)による疲れから若くしてこの世を去った、という。ユワン(40歳)は、スコットランドの有名スターであった父とは 決して同じ道を歩まない、と語った。 そして彼は、新作「The Big Brass Ring」(ミランダ・リチャードソン、ウィリアム・ハート)の撮影のために、家族(クララ、長男トーマス10歳、長女エレノア9歳)を連れてロサンゼルスに行った。
彼は子供たちと過ごす時間が大好き---彼らを学校に連れてくわずかの時間でさえ。これは彼の育った環境とはまったく異なる。 彼の父、アンディー・スチュワートは生涯をステージと”White Heather Club”(テレビ番組、ホスト役)にささげた。アンディ・スチュワートは、後年アメリカとイギリスのツアーの後に、腹部に6回の手術を受けたが、1993年10月に59歳の若さで亡くなっている。
「私は父を愛していたし、今でも愛している。自分の両親の年齢よりも大きくなった時に、親としての視点でいろいろな事がわかるよ。彼は彼の芸を愛していたが、彼は自分たち家族のことも愛してしたんだ。」とユワンは語った。
ユワンはグラスゴー(スコットランド)で生まれた。9歳の時、エジンバラの全寮制の学校へ。しかし彼はこの学校が大嫌いで、 できる限り早く卒業したかったようだ。「家から遠く離れたくなかった。でも両親たちは、自分達にはそういう機会がなかったから大喜びさ。」(ユワン)
16歳で卒業すると、1年後にロンドンの演劇学校に進んだという。そして、大物スターであるアンディーの息子であることを隠すために、彼は名前を「アンドリュー」から「ユワン」と改名した。 「(父アンディの影から)逃げ出したかったんだ。もし、あなたの父親がスコットランドの大スターだったら?すごく難しいことだ。私は本当に、その事実から逃げ出したかったんだよ。」 「でも、今ではもう気にしていない。私は父を、本当に誇りに思っている。」
ユワンは今、スコットランドでもっとも有名な俳優となった。
ユワンはテレビ番組「Looking After JoJo」(ロバート・カーライル主演 BBC 1998年1月放映済み) 及び「Touch And Go」(マーチン・クラネス 1998年秋放映済み)に出演、 「A Mug's Game」「Down With The Big Boy」で絶賛された。
もちろん彼がハリウッドで有名になったのは、アカデミー章11部門受賞「タイタニック」に出演したしたからである。 ---そして、論議にも巻き込まれた。 彼が演じたウィリアム・マードック一等航海士(スコットランド人)は、賄賂を受け取った上、乗客を撃ち殺してしまう。 マードックの自決シーンは、この映画のなかで最も心を揺さ振られるシーンの一つである---が、史実の上からははっきりした証拠が 何一つ無い。
80歳になる甥のスコット・マードック氏は、ジェームス・キャメロン監督に謝罪を求めるキャンペーンを起こした。 ユワンはスコットに同情をよせながらも、映画の弁護にまわった。 「その異論は十分理解出来る、でも私は不公平だと思った。多くの人は、映画のマードックは卑怯者だと言った。 しかし私は、彼がそうだったとは思わない。」「私はマードックが悪役として描かれたとは決して思わない。 マードックがいかに多くの乗客の命を救ったか、という事をキャメロン監督といつも話合っていた。
ユワンの次の作品は、スコットランドの有名フットボール選手を題材にしたコメディ作品。ユワンは又ロケ地Donegalに家族を連れて いく。
ユワン:「前の世代と違うことが出来るんだよ。」 写真

Cinefex #17 : 特撮の為のスキャン撮影をするユワン

 

[関連サイト]
Ewan Stewart The Unofficial Website
  ユワン・スチュワートの、非公式HP。
  トップのモノクロ写真は、ハッキリ言ってすごくカッコイイです。;^^
  彼の出演作品が、ほとんど写真付きでまとめられています。
  (ここに、上記@「Rob Roy」の写真もあるんですが、これを見て
  私は網をひいてる「漁師」の役だと思ってたら、実は、民族衣装でした。)
  舞台でも活躍する彼の記事も掲載。
  またユワンが参加したCD 「White City」の情報など。
  (元ザ・フーのピート・タウンゼンのソロ。ユワンは1曲めと3曲めの吟唱担当。)


Ewan Stewart The Multimedia Archive
  映画のマードックの写真が多数!!
  また1979年の出演作の貴重な写真等多数あります。
  セリフの音声ファイルあり。







Written by Chie OGATA


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